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和楽(会報誌)

「和楽」はオーナー様向けに毎月発行している会報誌です。
今年で29年目を迎え、賃貸経営に関する専門家の解説や、行政ニュース、セミナー開催情報など、お役に立つ情報を掲載しております。
東京都、神奈川県などの各市町村をはじめ、首都圏主要都市の行政担当部署にも配布させて頂いております。

令和6年度  東京都の民間住宅政策(2024.06)

【6月号対談者】

東京都 住宅政策本部

民間住宅部長

鈴木誠司 様

 

毎年、東京都の住宅政策について対談させて頂いております。一昨年、昨年に続き、東京都 住宅政策本部 民間住宅部長 鈴木誠司様にお話を伺います。

 

【老朽マンション対策】

手塚) 令和6年度の東京都の民間住宅政策について、多岐にわたるため、5つのテーマでお話頂ければと存じます。まずは老朽マンション対策についてお願いいたします。

 

鈴木) 都内の主要な居住形態はマンションですが、令和2年度にスタートした「管理状況届出制度」では、昭和58年以前に建てられた6戸以上のマンションに届け出を義務付け、約9割を超えるマンションから届け出を頂いております。

一番重要なのは、管理組合や管理規約がなかったり、修繕の計画的な実施がないなど、管理不全の兆候が見られるマンションを把握することで、こちらから専門のアドバイザーを派遣して、どうやって改善できるかといった取組を進めているところです。数年前に滋賀県で、倒壊の危険性がある老朽マンションを行政代執行で撤去した事例があり、都でも今後そのようなケースが出てくることも危惧されるため、早い段階で手を打つ取組を強化していきたいと考えております。

 

手塚) 専門家が入ることで、マンションの資産価値下落を防ぎ、適切な維持管理、場合によっては建替えも視野に入れるのですね。

 

鈴木) 建替えは選択肢の1つですが、どちらかというと大規模修繕の計画を立て、建替えをしなくても長く使って頂ける建物にすることが重要だと考えております。また、もう1つとても大事なこととして、マンション防災について力を入れており、災害時に停電した場合でもマンションの中でとどまって生活できるよう、防災資器材等の補助をする取組を強化しています。「東京とどまるマンション」という名称の登録制度で昨年度から補助制度を設けました。昨年度1年間で200件超(約5万戸)のマンションの登録がありました。今後は、さらに拡充していきたいと考えております。

 

手塚) 登録することでどのような補助が受けられるのでしょうか。

 

鈴木) 登録の要件は3段階に分かれておりますが、様々な補助を受けられます。例えば、

続きは本誌にて…

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