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和楽(会報誌)

「和楽」はオーナー様向けに毎月発行している会報誌です。
今年で29年目を迎え、賃貸経営に関する専門家の解説や、行政ニュース、セミナー開催情報など、お役に立つ情報を掲載しております。
東京都、神奈川県などの各市町村をはじめ、首都圏主要都市の行政担当部署にも配布させて頂いております。

2020年 税制改正解説(2020.03)

【寄稿者】

フジ相続税理士法人代表社員

税理士 高原 誠様

今回は2019年年末に発表された政府の税制改正大綱をベースに、今年の税制改正のうち和楽の読者の皆様に関係がありそうな項目を中心に見てみたいと思います。

 

◎今年の税制改正を一言でいうと

「法人の投資を誘導。個人関係の改正項目は小幅であるものの、税金逃れは許さない」。

今年の税制改正を一言で表すとこのような内容です。法人関係では、ベンチャー企業への投資や5G設備への投資を行った企業に優遇措置を設ける一方、個人関係は課税逃れを防止するメニューが並んでいます。まずは個人関係について簡単に解説していきます。

 

◎長期保有空地の売却の特別控除

5年を超えて保有している低未利用土地で、売却価格が500万円以下(建物も含む)の土地を売却した場合に、譲渡所得から最大100万円が控除できる制度が創設されます。今年7月(土地基本法等の一部を改正する法律の施行日が7月1日より遅い場合はその施行の日)から令和4年12月31日までの譲渡に適用される期間限定措置です。 低未利用土地に該当するかどうかの認定は自治体が行いますが、認定方法などの詳細はまだ不明です。

 

◎所有者不明不動産について使用者から固定資産税を徴税可能に

現行制度では登記簿上の土地・家屋の所有者が固定資産税の納税義務を負います。所有者が死亡し相続登記が何代にも渡ってされない等で所有者が特定できなくなった不動産については、その不動産を使用している人がいたとしても、使用の事実をもって固定資産税を徴収することはできません。そこで、令和3年度以後の年度分の固定資産税について、所有者がどうしても特定できない場合に限り、使用者に課税できるよう改正されます。また、所有者の特定を行う自治体の負担を考慮し、条例により、所有者が死亡している場合に現所有者に固定資産税徴収に必要な事項を申告させることができることとなります。

 

 

続きは本誌にて…

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