原状回復工事の負担割合・実例
賃貸借契約終了時の原状回復工事については、貸主と借主でどのような負担割合とするのか、
国交省のガイドラインに示された一般的な基準に基づいた負担割合の取り決め方について、概ね皆様の周知は進んで来ている事と思いますが、一つの実例をご紹介致しますので、負担割合算出の参考にして頂ければと思います。
【基本情報】
①契約居室・・1DK(6畳和室、6畳キッチン、バストイレ)
②賃料・・75,000円 ③敷金・・150,000円 ④契約期間・・約20年
⑤退去時の状況
ⅰ 喫煙による全体クロスの汚れ
(契約書特約に「喫煙による汚れは入居者負担」記載有り)
ⅱ 台所の床下漏水による床面の凹み・腐食
(流し台の排水管劣化により、数年前から漏水が床下に発生した為に、
根太が腐食して床全体が凹んできたもので、根太と床CFの張替要)
Ⅲ トイレ便器の割れ
以上のように負担割合を算出し、借主には敷金150,000円から原状回復費用97,300円+消費税9,730円を差引いた42,970円を返金して精算が終了しました。
ポイントは、経過年数や耐用年数だけで考えると借主負担は発生しないが、損傷の箇所・内容によっては請求の余地あり、逆に特約はあっても経過年数も考慮する事で、貸主と借主両者のバランスが考えられた結果となっています。
新しい募集を始める為にも早期の精算が大事になります。
負担割合の算出でお困りになるような場合には、小さな事でも遠慮なく協会にご相談下さい。
(著者:片岡)