個人も法人も、事業規模も関係なし!全事業者が対応必須!!〜電子帳簿保存法②〜
◎【任意適用】国税関係帳簿書類の電磁的記録による保存。「国税関係帳簿書類」とは?
先月に続き、電子帳簿保存法について取り上げます。まずは帳簿書類の保存について。
国税関係帳簿書類は、「国税関係帳簿」と「国税関係書類」に分けられます。それぞれ対象となる書類は以下の内容を指します。
◎保存要件は3つ。どれも難易度は低め
会計ソフトを中心とした専用の設備を入れることで対応できそうです。
◎任意適用なのに対応する意義(メリット)はある?
国税関係帳簿書類の電磁的記録による保存に対応するメリットは下記のようなものが考えられます。イ)紙に印刷する手間やコストが省ける ロ)破れたり紛失したりというリスクがなくなる ハ)探したい書類をすぐに見つけることができる。さらにこの電磁的記録の保存は「優良な電子帳簿」と「その他の電子帳簿」に分けられ、「優良な電子帳簿」に該当した場合には過少申告加算税が5%軽減される点もメリットです。保存や検索の要件がさらに細かくなりますが、税理士と相談する価値はあるように思います。
◎【任意適用】「スキャナ保存」はメリット多数
紙の書類を電子化するスキャナ保存には、保管コスト削減や紛失トラブルの防止、テレワーク対応推進などのメリットがあります。これにも要件がありますが、ここでは代表的なものを抜粋します。
◎結局、何をどういう順番で進めたら良いのか?
電子帳簿保存法の法趣旨は、「紙データの削減推進」というところにあります。これを踏まえると、検討・実行は以下の手順になるでしょう。
優先すべきは強制適用の「電子取引の保存」です。こちらは必須事項のため滞りなく対応できるようシステム導入の準備を始めましょう。
次に今号で取り上げた任意適用の二つの制度です。まずは紙保存と電磁的記録による保存、どちらがご自身にとって費用的負担と紛失トラブルが少なく済みそうかを考えてみるべきでしょう。そして、もし電磁的記録による保存を選択する場合には、パソコン本体やスキャナ等の各機材を揃えていくことになると思いますが、会計ソフトを取り扱う会社を中心に専門家のアドバイスを求めながら進めれば間違いが少ないでしょう。
(著者:税理士 高原)