リフォーム工事のトラブルについて
日本地主家主協会には、お部屋の修繕やリフォーム工事に関する相談が多く寄せられます。
大家さんは、賃貸物件を所有されているため、原状回復の時など、色々な業者さんに依頼する機会が多いと思います。
今回は、トラブルを未然に防ぐためのポイントや、工事発注後の対応をどうするかなど、まとめましたので、ご参考になさって下さい。
業者選び
最も大事なのは業者選びです。インターネットの口コミを参考にしたり、管理会社から紹介された業者に依頼する方が多いと思いますが、特に、インターネットから検索する場合には、いくら口コミが良くても、トラブルになることも多いです。そのため、業者選びは信頼できるところからのご紹介が一番安心かと思います。当協会では、工事内容に応じた信頼できる業者をご紹介できますので、お気軽にご相談下さい。
小規模のリフォーム工事は許可不要
「建築工事一式の請負金額」が1500万円以上の工事や、「専門工事の請負金額」が500万円以上の工事をする業者は、国土交通省による建設業の許可や、毎年の事業報告が必要になります。しかし、それより小規模の工事だけならば、特別な許可など不要で、新規参入がしやすいため、ずさんな仕事をする業者も出て来るのです。建設業の許可の有無で簡単に判別できるわけではありませんが、できるだけ施工実績の豊富な業者を選ぶことをお勧めします。
契約した後でやめたい場合
契約(申込み)した日から8日以内であれば、「クーリング・オフ」の手続きをすれば解除できる場合があります。契約をした場所が相手方(業者)の事務所である場合など、クーリング・オフできない場合もあるため注意が必要です。
工事が施工不良だったり、工事代金を返金してもらいたい場合
すでに工事をしたものの、施工不良だったり壊れた箇所が直っていなかったりして、担当者に伝えても対応してくれない場合は、その会社の「お客様相談室」のような部署に連絡すると、対応してもらえる場合があります。
尚、工事代金を支払った後に、返金してもらう事は難しいケースが多いです。工事業者との話し合いで解決しなければ、弁護士を立てて訴訟するか、60万円以下の金額であれば少額訴訟という方法があります。ただし、取り返すだけの理由を立証しなければいけないため、契約書類の内容と異なっていることを説明する必要があります。そのため、契約書や見積書、仕様書などの記載内容が重要になります。また、弁護士を立てて裁判すると、取り返す金額よりも弁護士費用の方が高くなる可能性があります。
尚、ADR(裁判外紛争解決手続)といって、弁護士などの専門家が第三者として間に入り、話し合いで解決する方法もあります。
工事保証と設備保証
リフォーム工事に対する保証は、一般的に「工事保証」と「設備保証」の2つがあります。
工事保証は、施工会社(リフォーム業者)がリフォームした箇所で、工事に起因する不具合が生じた場合、施工会社が一定期間保証するもので、保証期間中は無償で修繕に応じてくれます。保証期間や内容はその会社により様々で、1年~10年程度です。
設備保証は、リフォーム後に取り付けた設備に不備があった場合、設備のメーカー保証で修理に応じてくれるものです。保証期間は1年程度で、メーカーのスタッフが対応します。これらの保証についても、事前に担当者に確認しておくことをお勧めします。
業者選びでお困りでしたら、協会にご相談下さい。
(著者:秋葉)