深刻な給湯器の供給不足について
半導体不足により給湯器の供給が不安定であることを知ったのは昨年2021年の10月に入ってからのことでした。
インターネット上で「給湯器が壊れたが半年待ちだと言われた」との書き込みを見て、目を疑ったことを覚えています。
その後すぐのタイミングで、賃貸管理をお手伝いしているマンションの入居者さんより「給湯器が壊れた」という連絡が入り、戦々恐々としながらいつも交換をお願いしている専門業者さんに交換を依頼したところ、予想に反し、翌日には交換を実施することができました。その業者さんは比較的大きな会社で、多くの在庫を持っているために迅速な対応ができたようです。
また思い返しますと、インターネット上での「半年待ちだと言われた」給湯器は、外壁に設置するような一般的に多く流通しているタイプの給湯器ではなく、生産数が元々少ないもの、例えば室内に設置するタイプ、パイプスペースに埋め込むタイプ、据置きタイプ、スリムタイプ、浴槽に直付けするようなホールインワンタイプのいずれかに該当する給湯器だったのかもしれません。
昨年の時点では、半導体の供給不足は今がピークで来年には元に戻っているだろうと楽観的に考えていたのですが、今年に入り、更に悪化していることを思い知らされました。追炊き有りの給湯器の交換を依頼したところ、在庫を多く持っているはずの業者さんから 「入荷待ち」 との回答があったのです。その案件は2つのリモコンが設置されている内の、1箇所が故障している状況であり、お湯自体は出ましたので、急を要するものではありませんでしたが、結局は1ヶ月後に交換の運びとなりました。給湯器以外にも供給不足であることを実感したのは浴室乾燥機、温水洗浄便座、LEDの非常灯が挙げられます。エアコンは今のところ給湯器ほどの供給不足は感じていません。
結局いつになれば給湯器の供給が安定するのか、試しに専門業者さんに尋ねてみたところ、「今年の5月位」というワードが上がってきました。果たしてそれまでに本当に改善されるのか、現在のオミクロン株の蔓延状況を考慮しても、今年中に解消されるのは難しいのではないかと感じます。因みに日本で使われる半導体のほとんどは海外で生産されていますが、新たに日本に工場を作り生産をしたいとなった場合でも、その実行までに4年はかかると言われているそうです。
この状況下で実践できることは限られていますが、給湯器の修理が可能なのは一般的に製造から10年までとなりますので、設置から
10年に近いものは今の内にメーカーに点検を依頼して、故障が予想される部品を交換してもらうこと。古い給湯器の場合は順番待ちであっても今の内に交換依頼をすることです。
基本的なことではありますが、後々で入居者さんとのトラブルを回避するためにも先手を打っておくことが大事だと考えます。
(著者:鈴木)