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相続対策のシミュレーション! 何もしない相続対策のススメ

◎いま伝えたい相続対策とは?

昨年7月1日に路線価が発表され、全国の標準宅地の路線価平均が2.3%上昇したとメディアで報じられました。このニュースを受け、顧問税理士や金融機関、FPなどから相続対策シミュレーションの提案を受けたり、自ら進んで相続対策の検討を始められた方もいらっしゃると思います。そこで今回は、すでにシミュレーションを行った方や、これからシミュレーションを行おうという方に向け、いま本当にお伝えしたい相続対策についてお話ししたいと思います。

 

 

 

◎不安があるから対策案を検討するわけですが……

まず、相続対策を検討するうえでお伝えしたいことは、実行の要不要も含めて総合的な判断がなされているかということです。もちろん、現状把握は必要ですし、不動産をはじめとする相続財産の情報を家族で共有し、相続前の介護対策や相続後の最終的なイメージを話し合うことも大切です。相続が起きた際に相談すべき人をリスト化し、共有することも忘れてはいけません。しかし、その対策案を「必ず」実行することは重要でしょうか?

 

◎必要なのは「勇気あるストップ」です

対策を実行するうえで大切なことは、もし対策を実行したら相続財産やご家族の状況にどういった影響があるのかを考慮し、そのうえで「実行の見送り」も選択肢の一つとして加味することです。特にシミュレーション対策の提案者はその必要性を正しく見極め、もし実行のタイミングではなかった場合、対策を行わないことも視野に入れる必要があります。なかには「実行費用が高い」という理由からシミュレーション対策を見送るケースもありますが、その判断軸はあくまで金銭的なものであり、実行のメリットとデメリットを比較したうえでの見送りとは異なります。

 

◎実行しないデメリットとは?

 「相続対策案を実行しない」ということは、「現状維持」ということです。提案された対策案を一旦見送り、いつか実行したいと思っていても同じ対策案を現在のコスト同様に実行できるとは限りません。また、実行のタイミングを逸したことにより、のちに被相続人が認知症を患ったなど予期せぬ事態が起こった場合、意思能⼒の不足によって法律行為が制限され、実行できなくなることも想定されます。

「いま対策を行わない」なら、いつ行うのか、現状維持を続けるのか続けないのか、次に判断する時期はいつなのか、対策の内容とともに実行のタイミングも一緒に想定しながら将来に備えましょう。

 

◎相続対策のカギは「3つの目」と「4つの柱」

「鳥の目・虫の目・魚の目」という言葉があります。相続対策に置き換えれば、鳥のように広い視野で家族全体を俯瞰し、虫が持つ複眼のようにさまざまな角度で対策案を考察し、魚のように時代の潮流(ブーム)を読み取って対策案や家族が進むべき方向を見極める行動を指します。この三原則にそって正しい対策を進められる人、またはその視点を持ち合わせている相談相手を身近に置きましょう。

昨今は介護をめぐる相続トラブルが増加しており、3つの柱となる「遺産分割対策・納税資金対策・節税対策」以外に、4つ目の柱となる「介護対策」も考慮することが主流です。そのため、相続対策案をただ実行するのではなく、対策を実行しない選択も検討材料の一つとして提案できる人を相談相手にされることをおすすめします。

 

(著者:税理士 高原)

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