繁忙期の賃貸物件成約に向けて
私は賃貸経営のご相談に携わる機会が多く、実際に会員様の賃貸物件募集のお手伝いもさせていただいております 。12月に入りましてからは来年度の入学生の方がお部屋を探されているケースも増え、1月ないし2月からの契約開始で早々に成約することも多くなってまいりました。オーナー様の中には長期空室となっている賃貸物件をお持ちの方もいらっしゃるかと存じますが、繁忙期内での成約に向けて、対応策をいくつか挙げてみたいと思います。
【募集条件の見直し】
周辺の賃料相場と比較し、募集条件に大きな隔たりがある場合、当然ながら下記条件の見直しが必要になります。
①賃料及び管理費
②敷金(1ヶ月が標準)
③礼金(地域によってはゼロが標準もあり)
ただし①の賃料及び管理費に関しては条件を下げずとも工夫次第で成約に結び付く可能性があります。例えば、「賃料62,000円 管理費なし」で募集を行っている場合、インターネットサイトで検索をする際は、当然ながら「6万円まで」という検索結果には出てきません。実はインターネットサイトでの基本的な検索ルールとして、管理費との合算ではなく「賃料の金額のみ」に反映されるようになっています。そこで賃料を一部、管理費にスライドして「賃料60,000円 管理費2,000円」とすることで「6万円まで」の検索条件に表れるようになり、一般の目に触れるチャンスが増えることになるわけです。
②の敷金に関して、最近はゼロの物件も増えていますが、属性不安や、初期費用が抑えられることゆえに短期解約のリスクもありますので、早期解約違約金を設定したり、審査は比較的慎重に行うことが望まれます。
【建物の維持管理】
建物の敷地内において気にするべき点として、
①共用灯の球切れ(特に夜の内覧で不利)
②共用廊下の清掃(ごみ・落ち葉など)
③雑草の処理
④駐輪車両の整頓、放置車両の処分
が挙げられます。
【室内の維持管理】
長期空室のお部屋は独特の臭いや虫の発生が予想され、内覧を行った際に悪印象となることが多いです。清潔感のある印象を保つために、定期的に室内のチェックを行うようにしましょう。
①水周りの通水(特に洗濯機置場は臭いの発生源)
②空気の入替え
③簡易清掃
④内覧用のスリッパ設置
【細かなアップグレード】
設備投資をすれば、成約の可能性がもちろん高くなりますが、なかなか高額な費用を捻出することは難しいです。比較的少額でも印象が良くなる工事項目を挙げてみます。
①テレビモニターホン(女性に効果的)
②温水洗浄便座
③アクセントクロス(1面のみ色を変えてみる)
こうした見直しの提案は、本来であれば不動産仲介会社が担うべきところですが、繁忙期にもなりますと、様々な業務に追われ、実際のところオーナー様に提案する時間と労力を設けることができないのが実情であるかと思われます。そのためオーナー様より仲介会社に対し、積極的なアプローチをされることが重要です。
適正条件を把握することが難しい場合は、協会にご相談下されば調査させていただきますので、お気軽にお問合せ下さい。
(著者:鈴木)