賃貸経営とごみ置き場について
我々の日常生活においては勿論のこと、賃貸不動産においてもごみ置き場の存在を欠かすことはできません。賃貸の集合住宅の敷地内にごみ置き場を設けられている大家様も多いかと思いますが、今回はごみ置き場についてお話したいと思います。
ごみ置き場には、大きく別けて3つの種類があります。

路上型
その名の通り、路上に存在するごみ置き場です。自治体の共同集積所として、清掃事務所が貸与したネットやカゴが置いてあることがよくあります。ネットやカゴの出し入れは町内会や自治会で行っているケースが多いです。決まった回収日の朝にしかごみを出すことができず、ごみにしっかりネットを被せないと猫やカラスなどに荒らされることもあります。
開放型
ブロック塀などで囲われたごみ置き場です。マンションやアパートの敷地内にあるタイプもあれば、町内会や自治会で管理しているタイプもあります。路上型に比べて管理はしやすいですが、臭気の問題や部外者の投棄を防ぐことは困難です。
密閉型
フタや扉の付いている、大きな箱型のごみ置き場です。「ダストボックス」や「ダストストッカー」などの名称で主にホームセンターで市販されています。ごみ置き場全体が小屋のようになっている場合もあります。マンションやアパートの居住者専用として敷地内に設置されているケースが多くみられます。その名の通り密閉されているため臭気の問題が起こりにくく、フタや扉に鍵を取り付けるなどの工夫をすれば部外者の投棄も防ぐことができます。ただし、清掃などの管理にコストがかかるのが難点です。
賃貸物件において、開放型や密閉型などの、敷地内の常設のごみ置き場の有無は入居促進の面で重要なポイントです。
敷地内にごみ置き場を設ける余裕がない場合、入居者は路上型のごみ置き場にごみを出しに行くことになりますが、ごみを出せる時間が非常に限られ、さらに住居からごみ置き場まで距離があると入居者も億劫になってしまいます。入居者の観点からいえば、住居の敷地内にごみ置き場が常設されていることが望ましいでしょう。
一方で、ごみ出しには入居者のマナーも問われることになります。回収日や分別など、居住する自治体のルールを守ってごみを出すのは鉄則です。賃貸物件の敷地内に常設のごみ置き場を用意したとしても、入居者がルールを守らなければごみ置き場が荒れることに繋がり、新規入居や継続入居にも影響を与えてしまいます。
ごみ置き場をきれいに使っていただくためには入居者と大家様の信頼関係が不可欠です。入居者がごみ出しのマナーを守らない場合は適宜注意喚起を行い、大家様も自主的もしくは管理会社等にごみ置き場の定期的な清掃や点検を依頼するなどして、皆が気持ちよくごみ置き場を利用できる環境を整えておくことが肝要です。
(著者:伊藤)