司法書士の事件簿~第12回「司法書士の業務範囲」
早いもので、この連載も第12回を迎えることとなりました。本連載で、私が皆様にお伝えしたかったことは、司法書士の業務範囲の「意外な」広さという点です。
再度にはなりますが、司法書士の業務範囲についてご説明します。

【不動産登記】
司法書士の業務というと、皆様がまず思い浮かべるのは、「不動産登記」であると思います。不動産を売却・購入された経験がある方は、所有権移転登記や抵当権設定・抹消登記の申請を司法書士に依頼されたことがあるかと存じます。
【商業・法人登記】
また、会社を経営されている方は、会社設立、役員変更、本店移転の登記申請を司法書士に依頼されたことがあるかと存じます。
【成年後見関係】
上記各登記については、皆様に広く知られているところですが、成年後見の分野においても、司法書士は、申立書の作成支援や成年後見人等への就任で、後見業務を行っています。成年後見人等に就任している専門職(弁護士、社会福祉士等)のなかで、その占める割合が一番大きいのが司法書士となっています。
【簡裁訴訟代理等関係業務及び本人訴訟支援】
司法書士の裁判業務としては、古くから本人訴訟支援として本人名義での訴状・準備書類などの作成を行う業務に加え、平成14年の司法書士法改正により、法務大臣の認定を受けた司法書士には、簡易裁判所での訴訟代理権が認められることとなり、その範囲内では弁護士と同様の訴訟活動ができることとなりました。
【遺産承継業務】
司法書士は、遺言執行者となって、遺言書の内容に従った遺産の承継を行う事ができます。また、共同相続人間で成立した遺産分割協議に従い、共同相続人全員からの依頼を受けて、その内容(相続登記・預貯金解約等)を実現することができます。
その他、これから遺言書を作成しようと考えている方に、助言を行うことで、遺言書作成のサポートも行っています。
【債務整理】
認定司法書士は、1社当たり債権額140万円以下の金融業者について、債務者の代理人として任意整理(過払い金請求を含む)をすることができます。また、自己破産、個人再生について、申立人を支援して申立書の作成援助をすることができます。
【その他】
あまり一般的ではありませんが、司法書士は、「供託手続」について代理することができます。地主・家主の方々におかれましては、地代や家賃の金額について話し合いがまとまらないなどの理由で、借地人・借家人から地代・家賃を供託されたご経験がある方もいらっしゃるかと思います。そのような場合、司法書士にご依頼いただくことで、供託金の還付請求をスムーズに行うことができます。
【まとめ】
このように列挙していくと、おそらく、皆様がお考えになっているよりも司法書士補業務範囲は広く、皆様のご要望にお答えできることも多いかと存じます。また、司法書士は、主要都市のみではなく、小さな町にも事務所を構え、市民の生活に密着した法律業務を行っています。皆様におかれましては、今後とも「街の身近な法律家」として、我々司法書士をご活用頂きますよう、お願いいたします。
また、本連載(「司法書士の事件簿」)は終了いたしますが、次回からは再度一年間にわたり、「これからの相続・遺産分割」というテーマで連載しますので、皆様には引き続き宜しくお願いいたします。
(著者:司法書士 大谷)