不動産売買
空き家問題を解決!相続不動産の売買事例
- 品川区内の山手線駅徒歩10分に位置する約13坪の土地上に隣接地建物と一体となった「長屋」(※)を相続しました。以前は両親が居住していたが、数十年前から施設に入っていたため、空き家となっている。売却したいが、どうしたらよいか? (※)長屋:隣の家屋と壁を共有状態にした集合住宅。東京下町、京都に多く見受けられる。
解決策
現地調査をした結果、対象建物は2連棟の西側建物(東側建物は隣地所有者)で、登記上の延床面積は約20 坪。建物は、窓ガラスが割れている、屋根は一部剥離とかなり荒廃しており、また、家屋の傾きも見られ、倒壊危険性が高い建物でもありました。
先ずは、土地の境界が不明瞭であったため、「隣接地との土地境界を確定する」ことから始めることになりました(土地家屋調査士に境界確定業務を依頼)
その後、連棟の東側建物の隣接所有者へ購入を打診しました。隣接者は、その建物で町工場を営んでおり、数年後に工場をやめる計画もあることから、購入はしないとの回答がありました。
隣接者が購入しない以上、第三者へ売却するしかなくなり、現況のままでは、購入する方もいないし、いたとしても二束三文になってしまいます。ご相談者のためにも、本件土地を高値で売却するには、「長屋状態の解消」及び「更地」にして売却することが必須条件でありました。
そこで、協会から隣接者に対して、「本件建物の西側建物の取壊し」を承諾してほしい旨打診しました。東側建物と西側建物が接合していますので、解体後に、接合部分の壁補修が課題としてありました。東側建物の隣接所有者とその壁補修に関して、打ち合わせを重ねた結果、壁補修に関しても合意を得られ、本件西側建物の解体・東側隣接建物の壁補修を実施するに至りました。
解体・東側隣接建物の壁補修工事の業者選定にあたっては、宮大工として実績のある事業者を選定して、丁寧な補修を実施いただくことで、隣接所有者の方にも喜んでいただきました。
1か月後、更地化することができ、無事に売却することができました。
ポイント
- 長屋状態を解消し、更地で売却することにより、高値で売却することができた(長屋状態の価格の2倍以上)。
- 接合している建物に損傷を与えない解体工事、隣接建物の壁補修は難易度が非常に高いです。神社・仏閣等の補修で実績のある宮大工に依頼することで、隣接所有者に安心をいだたきました。